井伊家ゆかりの寺 [風景]
私の家から車で5分程の所に北野寺というお寺があります。
北野寺という看板は車の通り道にありますがお寺そのものは
大きな木に囲まれて見えません。
ただ年末になると手前の神社の参道に紅白の提灯がずらっと下げられるため
お寺の存在に気が付く程度の場所なのです。
3年前の春、桜が咲いているのにつられてどんなお寺なのか
夫と二人で行ってみました。
古びたお寺で特に薬師堂の方は壁に穴が開いていたりして
寂しげな風情でしたがその昔はかなり栄えていたのではないかと思わせる
華やぎが本堂にも薬師堂にも僅かに残っていたのでした。
その時ふっとこのお寺には何かがあると感じたのです。
静かな境内には大きな枝垂桜が満開になって夫と二人で見とれて
いると、綺麗でしょう? という優しげな女の人の声がします。
えっ、と思って声のする方を見ると色白でつつましげな女性が
微笑んでいました。
微笑んでいました。
その方はこの北野寺の住職さんだったのです。
住職の妙祥尼さんから北野寺の由来を聞く事が出来ました。
それによると戦国時代徳川四天王の一人 井伊直政の息子
井伊直孝の幼少時代この北野寺に預けられていたそうです。
井伊直政=NHKの大河ドラマ 女城主直虎の養子 虎松の成人名
今まさに少年に成長した虎松が登場してこれからの活躍ぶりが
放映されます。直政が家康から関東きっての山城箕輪12万石の
城主になった頃正室が長男直継を出生すると同じ年に正室の侍女も
懐妊し生家に返されます。しかし生家でも奉公の身で懐妊とは不義
であると家を追われたどり着いたのが箕輪城に程近い後閑の北野寺
だったのです。
つまり、大河ドラマの主人公直政の息子直孝が幼少期の10年程を過ごし
村の子供達の大将になって裸馬を乗り回したりと活発に遊びまわって
体力を培った所だったのでした。
村の子供達の大将になって裸馬を乗り回したりと活発に遊びまわって
体力を培った所だったのでした。
何かがある、と思った事は確かだったのです!

山門を潜ってなだらかな石段の両脇にはヒガンバナが咲いていました。

境内の傍らに北野寺の御詠歌が石碑に刻まれています。

父直政の死後病弱な兄直継に替わって徳川方で大阪冬の陣で
大手柄を立てます。直孝は彦根15万石の藩主になり兄直継は
3万石の安中藩主となるのです。
つまり大河ドラマのこれからの主人公虎松(直政)の正室の
嫡男直継は幼少から体が弱かったので代わりに侍女に産ませた
嫡男直継は幼少から体が弱かったので代わりに侍女に産ませた
直孝が兄に替わって大手柄をたてたのでした。
幼少期父も母もいない所で逞しく育った場所がこの北野寺だったのです。

本堂の彫り物も歴史を感じます。

老朽化した薬師堂は只今改修中で年内には出来上がる予定だそうです。
薬師像も修復中ですがこちらはお預けした仏師の方次第との事でした。
観音様の左側の改修中の建物は子供の頃直孝が住んでいた
薬師堂です。直孝がここの薬師様に立身出世を祈願して
父直政の死後見事彦根城藩主になりその後の井伊家の繁栄を
父直政の死後見事彦根城藩主になりその後の井伊家の繁栄を
築いたのでした。
その後北野寺の薬師様は出世薬師と言われるようになりました。

薬師堂を解体した際に出た材木を薪用に貰ってきました。
200年前の杉材です。
すっかり乾いて火力が強いので最初の焚きつけ用には
もってこいなんだそうです。
もってこいなんだそうです。
長い事お堂の屋根を支えてくれた杉材のお焚き上げですね。
2017-09-30 23:15
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コメント(6)
由緒あるお寺ですね。地図を見たらすぐわかりました。徳川家康も幼少の時には静岡のお寺に預けられたらしいですね。
by takenoko (2017-10-03 06:59)
takenokoさん、由緒あるお寺なんですが檀家も少なく薬師堂の修理も大変なようです。屋根を銅葺きにするための寄進を募っていたのでささやかながら夫と二人分寄進させて頂きました。
by ラック (2017-10-03 18:59)
へぇ~、彦根の井伊家の初代は正室の侍女の子
だったんですか、歴史って面白いですね。
地方の寺社仏閣は維持するのが大変のようですね。
by johncomeback (2017-10-04 15:33)
とってもいいお話を聞きました。。。
ラックさんは感がおありなんですね。
by mutumin (2017-10-04 16:21)
johncomebackさんそうなんですよ、戦国の世では戦に勝利して
なんぼの世界だったんですね。
by ラック (2017-10-06 21:16)
mutuminさん、気になっていたお寺の由来がわかりこの安中という地には歴史が沢山つまっている所なんだなーって思いました。
by ラック (2017-10-06 21:21)